はじめに

この記事は緊張型頭痛特徴対処法をまとめたものです。

 

自己診断を目的・推奨するものではありません。

 

頭痛はありふれた疾患ではありますが、危険な頭痛もあります。

安易に自己解決しようとせず医療機関にかかることをお勧めします。

 

「診断を受けた場合に見るもの」

「知識として蓄える為のもの」

 

としてご覧ください。

 

目次

 

頭痛

 

緊張型頭痛とは

日本での全国調査では1年間に緊張性頭痛になる人は人口の22.4%となっています。

以前、ブログで紹介した片頭痛の8.4%と比べるとはるかに高い数値です。

これだけ多くの人がなる頭痛であるからこそ、病院に行く人も少ないようです。

男女比は4:5で女性が男性より若干多いようです。

平均発症年齢は片頭痛よりも高く25~30歳です。

 

↓片頭痛について書いたブログはこちら↓

【必見!片頭痛・偏頭痛のキホンと鍼治療!】

 

緊張型頭痛の特徴

  • 押されるような頭痛
  • 締め付けられるような頭痛
  • 圧迫感がある
  • 重い感じの痛み
  • 頭の両側が痛む(両側性)

などがあげられます。

 

そのほか、頭痛と一緒に

  • 首が痛い
  • 肩がこる

といった症状を訴える方も多いのが特徴です。

 

片頭痛と違い、

  • 嘔吐
  • 光過敏
  • 音過敏
  • 日常動作で寝込む

というような症状はあまりないことも特徴です。

 

緊張型頭痛の原因(誘因)

確立はされていませんが

  • ストレス
  • 緊張(くいしばりなど)
  • 運動不足
  • 肥満
  • 長時間の同じ姿勢
  • 顎関節症

が誘因や危険因子として考えられています。

 

緊張型頭痛の原因(メカニズム)

先ほど上述した誘因で頭蓋周囲筋の緊張が起きます。

頭蓋周囲筋とは

  • 前頭筋
  • 側頭筋
  • 咬筋
  • 翼突筋
  • 胸鎖乳突筋
  • 板状筋
  • 僧帽筋

などのことです。

その結果、痛みを出す物質が出てきて末梢性感作(痛覚過敏)、つまりは痛みを感じやすい状態になることが原因のひとつとして考えられています。

これが末梢性疼痛メカニズムと呼ばれるものです。

 

緊張型頭痛が長期化(慢性化)する原因

末梢性疼痛メカニズムが長期化することで、

下降性疼痛抑制機能が低下して中枢性感作(痛覚過敏)、つまりは痛みを感じやすい状態になることが緊張性頭痛を慢性化する原因と考えられています。

これが中枢性疼痛メカニズムと呼ばれるものです。

 

中枢性感作と末梢性感作何が違うのかについては、かなり難しい話になるのでここでは説明しません。

 

緊張型頭痛の種類

緊張型頭痛の中にも分類があり、特徴も違います。

ここでは、その違いを少し細かく見ていきましょう。

緊張型頭痛は大きく反復性(くりかえすもの)と慢性(長期化するもの)に分かれています。

その中でも、反復性は稀発(きはつ)反復性緊張型頭痛と頻発(ひんぱつ)反復性緊張型頭痛に分かれます。

 

緊張型頭痛の診断

緊張型頭痛の診断は「国際頭痛分類 第3版」(ICHD-3)に従い行われます。

  • 30分から7日間かけて持続する
  • 圧迫感、または締めつけ感がある(非拍動性)
  • 強さは軽度から中程度
  • 日常生活をしていて増悪することはない

この4つのうち少なくとも2つ満たすものを緊張型頭痛といいます。

 

反復性緊張型頭痛

片頭痛と違い

  • 悪心・嘔吐はない
  • 光過敏・音過敏があってもどちらか一方のみ

という特徴があります。

 

さらに、

頭痛の頻度が1ヵ月に1日未満(年間12日未満)であれば、稀発反復性緊張型頭痛といいます。

頭痛の頻度が平均して1ヵ月に1~14日(年間12日以上180日未満)であれば、頻発反復性緊張型頭痛と分類されます。

 

 

慢性緊張型頭痛

慢性緊張型頭痛は頻発反復性緊張型頭痛から発展した頭痛です。

3ヵ月を超えて平均して1ヵ月に15日以上(年間180日以上)の頻度で起こる頭痛です。

頭痛の症状は基本的に反復性緊張型頭痛と一緒です。

 

反復性緊張型頭痛と違うところは

  • 光過敏・音過敏・軽度の悪心のあってもいずれか1つ
  • 中程度の悪心・嘔吐はない

この2つを満たすという特徴があります。

 

緊張性頭痛が起きた時にしてはいけないこと

それは痛み止めの常用です。

痛みを止めるために鎮痛薬を常用するようになると、薬剤の使用過多による頭痛(MOH)が起こることがあります。

慢性緊張型頭痛と薬剤の使用過多による頭痛が一緒に起きていることが意外に多いようです。

痛み止めを飲み続けるのはやめましょう。

 

他の頭痛と混ざることがある

先ほど薬剤の使用過多による頭痛(MOH)が同時に起こることがあるとお話ししました。

同じく、片頭痛(偏頭痛)も同時に起こることも少なくありません。

片頭痛に対する理解も深めておいてもいいかもしれません。

 

↓片頭痛についてまとめた記事はこちら↓

【必見!片頭痛・偏頭痛のキホンと鍼治療!】

 

 

鍼灸治療は効くのか

効く可能性が高いです!

筋肉の緊張が主な原因であるので、筋肉をほぐすことが得意な鍼は結構有効です。

薬物を使わないので、

薬剤の使用過多による頭痛(MOH)を防げるという利点があります。

 

まだまだ研究の余地はありますが、論文でもその有効性が示されています。

 

実際に当院でも治療効果が出ています!

 

↓その論文がこちら↓

①Acupuncture for Chronic Pain: Is Acupuncture More than an Effective Placebo? A Systematic Review of Pooled Data from Meta-analyses(2010)

日本語訳:慢性疼痛に対する鍼治療:鍼治療はプラセボより効果があるのか。メタアナリシスから蓄積されたデータのシステマティックレビュー

 

②Acupuncture for the Prevention of Tension-Type Headache (2016)

日本語訳:緊張型頭痛の予防のための鍼治療

 

 

緊張型頭痛の予防法

日常的に行える予防は、原因となるものを避けることです。

例えば

  • 姿勢の改善
  • ストレスを避ける
  • 運動をする
  • 同じ姿勢を続けない

などです。

 

さらに、医療的に予防するのであれば

  • 病院での薬による予防
  • 理学療法による予防
  • 鍼灸治療による予防

が効果的です。

 

お家で簡単に頭痛を和らげる方法

頭痛体操という体操があります。

予防としても使えます。

その体操は沢井製薬さんが動画で詳しく解説しています。

是非、そちらを参考にしてみてください。

 

当院の緊張型頭痛の鍼治療

まずは痛みのある部分をしっかりと聞き取り検査します。

その後、頭蓋周囲筋に鍼を刺して筋肉の緊張をほぐします。

※すべての筋肉に刺すわけではありません。

鍼を刺し終えたら電気刺激を加えてさらに治療効果を高めます。

温熱治療を加え、さらに血流を促します。

場合によっては姿勢改善も同時並行で行います。(猫背矯正

 

そうして、末梢性疼痛メカニズムを断ち切ります。

 

一人ひとり、問診・検査をしっかりとした上で丁寧に鍼治療をします。

気になることは何でも聞いてください。

頭痛でお悩みの方はご相談ください。

きっと力になります。

 

↓簡単に当院の治療をまとめたページはこちら!↓

【通常鍼灸治療のススメ】

 

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基本鍼灸治療コース

痛みの治療をメインにしたコースです。お身体のメンテナンスにもご活用ください。

  • 超音波画像計測装置(エコー)を使用した治療
  • 低周波治療器を用いた鍼灸治療
  • 症状に合わせたストレッチ療法
  • 筋肉トレーニングの指導

などを組み合わせた治療です。
※すべてを行うわけではありません。

価格

初診 3,500円
通常 5,500円
所要時間 約50~60分(施術のみの時間)

初回は検査等あるため、+30分頂いています。
※再診時のみ、検査料として
+1,100円と+30分頂いています。

 

 

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【当院で扱っている痛み(筋・筋膜性疼痛、血行不良性疼痛)について】

 

参考文献

『頭痛診療ガイドライン2021』:日本頭痛学会

国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版:日本頭痛学会

Acupuncture for Chronic Pain: Is Acupuncture More than an Effective Placebo? A Systematic Review of Pooled Data from Meta-analyses(2010)

Acupuncture for the Prevention of Tension-Type Headache (2016)